長きに渡って続いていた乱世も明け、人々は平和に暮らしていたかに見えた。しかし、その陰では絶えることなく犯罪が横行し、人々の生活に消えぬ影を落としていたのだった。
――そんな中で治安部隊、見廻組(みまわりぐみ)は結成された。……ある思惑を内に秘めながら。
「私……っ、自分が誰なのかわからないんです……」
「「は?」」
見廻組、疾風隊(はやてたい)四番隊隊長、鈴鳴(すずなり)が拾って(?)きた少女は全ての記憶を失っていた。少女の身柄を預かることになった疾風隊は、少女が何者かに追われていることを知る。
「――僕と一緒に来てくれる? 鬼の使者」
「夜叉車(やしゃぐるま)の隠し場所を教えてもらおうか」
少女を追っていたのは、妖刀、夜叉車を狙っている殺人鬼、操り師(あやつりし)。
殺人鬼、操り師が少女を狙う理由とは?
――果たして、疾風隊は少女を守りきることができるのか。
――守るべきものは、たったひとつ。
和風創作ファンタジーボイスドラマ、疾風鬼刃録(はやてきじんろく)、只今開幕。